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ファイヤーキングFire-Kingとはアメリカのアンカーホッキング社の耐熱ガラスブランド
翡翠色のジェダイJade-iteは1940年代から60年代まで製造されていた。
ファイヤーキングのジェダイはアメリカンヴィンテージ食器の代表的なもの。
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それは1枚のお皿からはじまった物語。
アンティークショップに入店するや否や
「ジェダイは奥にあるよ」と度々店員に声をかけられる。
『ジェダイは私のスタイルじゃないし、料理が映えるとは思えない』
私はこの台詞を声高々言ってきた。
そんな私がジェダイを買った。
2年前。
それはある日、
初めて足を運ぶアンティークショップで好みのお皿をレジで購入した。その際お釣りがないと言われ、ふとレジ横で目についたのがジェダイの小さなお皿。
あ、これ買ってみようかな?
なぜかジェダイを手に取った私。
ジェダイは安いものではないという認識はあるので、再びお財布からお金を出そうとする。
と
『いらないわよ。楽しんで!』
そう店員さんに手渡されたジェダイ。
私。
タダ同然でジェダイを得た。
ジェダイに手を出した、流行り物に手を出したエピソードとしては完璧。
ただ、これだけではジェダイ・ストーリーは終わらない。
また次のアンティーキングの日。
何度か訪れたことのあるアンティークショップで一通り目の保養を済ませ、お店を出ようとすると、出口の前に
〝道路の向こう側のお店にも行ってみてね!”と矢印のかかれた看板が目につく。
矢印に導かれてそのお店に入店する。
切手と古本と家具のアンティークショップ。
食器はなさそうだな、早く出よう…と思いつつも、人好きの性格が邪魔をして、お店番のおじいさんと1950年代の雑誌の広告を広げ、この家3000ドルだって!この時代いいなー!なんて雑談をした。
その瞬間、ふと、入口の白い食器戸棚の中が真緑なのが目に入る。
なんだろうと近寄ると…
全部ジェダイ。
見たこともない量のジェダイ。
細々とつづくアンティーキング歴15年。
なんだかその神々しさに息を飲んだ。
背後からお店番のおじいさん、
『君は恋に落ちたね』
私は70年の時を経たジェダイに恋をした。
我が家にジェダイが来た。
遊びに来る友達にジェダイで食事を出すととても喜んでくれた。
嬉しかった。
人が喜んでくれるのは嬉しい。
私がこのジェダイとの馴れ初めを話すと
首を傾げる人ばかりだ。
行きつけのアンティークショップの
オーナーも私がジェダイを買ったお店は食器は置いていないはずだと不思議がる。
ウォーターサーバーや、こーんな大きなジェダイのお皿もあったよ!と言うと
嘘でしょ?と言う。
そして数ヶ月後にそのお店が
閉店した事を知る。
その不思議なお店で見たほとんどのジェダイはレアモノと呼ばれるもので、アンカーホッキング社の関係者のものではないかと言われている。
ただ、私の購入したものは
全く手に入らないレアモノではなく実用品ばかり。無知とはそういうものである。
不思議な巡り合わせで我が家へ来たジェダイ 。
これからもどんどん使って
陽気なアメリカンヴィンテージを楽しみたい。
そして、
せっかく恋に落ちたのだから、
乗せるお料理で両思いになりたい。
自宅待機中に気分転換も兼ねて
お庭でピクニック・タコライス
ズッシリとした重さが
アメリカンダイナーを思わせる。
地味なマフィンを明るくさせる
ジェダイマジック。
卵との相性は抜群!
お皿に色がついていると子供が
カッコいいという。
庭のプラムもジェダイに乗って誇らしげ。
ちょっとやりすぎたね。
ヴィンテージ好きの友達とランチ。
でもね、
スーパーで買った
こてこてのアメリカのドーナツ🍩
結局これが一番似合う!!