人と食

人と食のエピソード。笑って泣いてカリフォルニア。

揚げ物を味方に!

私が小学生の時に、母が魚焼きグリルの前で菜箸で魚を突きながら大笑いしていることがあった。

どうしたのかと近づいてみると、

網にギリギリ乗る、いや、引っかかっているといったほうがよいような小さな魚を網の上から落ちないように母が菜箸で支えていた。

「パパが釣ってきたのよ、焼けるかなと思ったけど身が縮んで落ちそう。」と母が笑っていた。

そして、母はさっと揚げ鍋を用意して、残りの魚を揚げ始めた。

ピンチの時は揚げる!

そうして、父の"立派な"魚はその日のお夕飯になった。

 

揚げ物が気楽にできる母を見て育ったのに、残念ながら私は、揚げ物に対して「めんどくさい」という印象があった。サラダのトッピングにじゃがいもを揚げる母。おかずにならないことをよくするね〜と内心思っていた。

 

何年も「揚げ物はめんどくさい」という強力なレッテルを自分の腕に張っていたが、それを剥がしてくれたのは、主人のゴルフ友達だった。

ゴルフは18番ホールある。⛳️

その後の食事会のことを19thと呼ぶ。

「19thを我が家で!」それが主人の口癖で、承諾すると、その日は我が家に近いゴルフ場で仲間とプレーして、16番ホールから「今16th」と短いメッセージが送られてくる。そのメッセージを確認すると唐揚げや手羽先の用意を始め、17thぐらいかな?というところで揚げ始め、我が家にみんなが到着してから二度揚げをする。

これが好評だった。

お腹が空いたプレーヤーにはこってりした揚げ物が喜ばれた。

すっかり揚げ物に自信をつけた私は、

せっかく油が温まっているからと野菜を素揚げしてサラダに乗せたりし始めた。

そんなことを何度もしていると、

いつの間にか、私の腕から揚げ物はめんどくさいと書かれたレッテルが剥がれていた。

一度剥がれたらもう二度と貼られることはなく、それからは揚げ物があれば大丈夫!と揚げ物を味方にしてきた。

 

じゃがいもの素揚げ

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材料は小さいじゃがいものみ。

素揚げした皮付きじゃがいもにお塩と乾燥ハーブを和えるだけ。
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これがホクホクしていて美味しくて、19thでもよく出していた。白トリュフのお塩が手に入ればそれを使い贅沢に!お塩とカレー粉でも面白い。

 

ポテトコロッケ

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私にとってコロッケはドラえもんの鈴。

なくてはならない存在。

中身に火が通っているので、外側をカリッと揚げるだけのコロッケはとても便利。

 

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冷たいお素麺も、揚げ物を数個乗せれば

形になる。

なすの素揚げ、かぼちゃの天ぷら、竹輪のしそ巻き天ぷら。

こういったお野菜の揚げ物は油が汚れにくい。野菜→魚→肉の順番で油を回して使う。

 

油はキャノーラ油、オリーブオイルを使うことが多いが、

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グレープシードオイルやサンフラワーオイルなど気分で変えている。

 

難しいことはなく、ただ揚げるだけ。

揚げ物は揚げたら揚げただけ上手くなる。

ポイントは揚げるものを沢山用意しないこと。

これは揚げ物のエキスパートの母の言葉

「揚げ物はたくさんすると大変だけど、少しなら気が楽。」

本当にその通りだと思う。