人と食

人と食のエピソード。笑って泣いてカリフォルニア。

鯛を見るたびに思い出す次男のお食い初め

7年前の次男のお食い初めの話。

f:id:hitotoshoku:20210417004655j:image

『お食い初めの儀』

次男の生後100日、お食い初めをしました。

食材集めに四苦八苦は毎度の事ですが、鯛は丸ごと素揚げという豪快さです。


魚はアパートで焼くと御近所トラブルの原因になり兼ねない為、フィリピンスーパーで鯛を購入し、その場で調理してもらいました。

塩焼きの選択は無く、素揚げのみ!

『ウロコだけを落として、他は何もカットしたりしないで下さい、シッポは絶対に!絶対に!落とさないで!この魚を使うセレモニーに必要だから!』と注文をつけると、怪訝そうな顔をする店員さん。

 

その2年前の長男の時、遠くの日系スーパーで鯛の塩焼きを頼むと、バッサリ尾を落とされてしまい、もう一度焼き直してもらった苦い経験があります。調理する方が日系人であるから大丈夫だろうと高を括っていた私が間違えでした。


店員さんをもう一度呼び止め

『私はその魚の身体全体が必要なの、ホールフィッシュ!ホールバディ!!』と全身を使い言い伝えました。


…あの店員さんはきっとキッチンのスタッフに、「手で自分の全身を上から下まで指しながら、ホールバディ、ホールバディと叫んでいる日本人のオーダーだよ。彼女は何の儀式をするんだろう」と笑っていたに違いありません。

 


家で調理された鯛の包みを開けてみると…

……………

尾が綺麗に切れています。

身体に大きな隠しきれない隠し包丁が入れられています。ばってーん!!

そうきたか!!

もう、ここまでされたら、私はやるべき事はやりましたと開き直るしかありません。

元気に大きくなってくれればそれでよし!

 

 

一筋縄ではいかない海外生活、食事情。

次男のお食い初めから7年経っても、スーパーで鯛を見かけるたびに思い出して笑ってしまう。ホールフィッシュ!ホールバディ!