人と食

人と食のエピソード。笑って泣いてカリフォルニア。

おかゆでよかった。

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主人と私は、どちらかが具合が悪い時に卵粥を作り合う。

そんな時、決まって

「やっぱりお粥でよかった」

という話をする。

 

2人ともアメリカのビザで苦労をした。

学生ビザの時は問題なかったけれど、

出会った時は、主人は仕事をしていて永住権の申請中、私は労働ビザの延長が認められず交渉中。そんな時にアメリカで出会った。

お互いの職場の人たちや友達に、「何でこのタイミングで永住権のある人と出会わないんだ!」と頭を抱えられた。

そう。国籍や永住権を持つ人と出会う方が圧倒的に多い状況で、同じビザで苦労している同士が出会い、付き合ってしまったのである。

「マジでVISA切れ5秒前」の彼女を拾った永住権に手こずる彼氏。

下手すれば2人とも無職!

それなのに、

大船に乗ったつもりで一緒にいて下さい。

なんて言うもんだから…

この人日本語の意味忘れちゃったのかな?

と思うほど。

すっかり恋愛麻酔のかかった2人は日本で入籍し、アメリカへ戻って来て、息子がたちが生まれた。

そこで気が付いた、

私の乗った船は荒波をかき分け進む漁船だった!

たまに収穫はあるが、船の機能は時々麻痺する。

座礁しかけて、船を手で押してバタ足で岸に戻ったこともあった。(夫婦で髄膜炎)

トラブル続きの船だけど、もうすでに愛着が湧いている。

 

たまに船酔いをして、お粥を食べながら、

そんなバウンシーな歳月を振り返る。

今は永住権も取得して、体調を崩してもお粥が出てくる。

それで十分だと身体が弱る度に思う。

これからも修繕しながらこの船に乗り続けられればとも思う。