人と食

人と食のエピソード。笑って泣いてカリフォルニア。

エリックトースト

幼い頃の夏の思い出といえば、

ベルギーから一時帰国する叔父(父の弟)一家と過ごす夏休み。

我が家は祖父母同居の7人家族で、それに叔父一家5人が加わり12人が一つ屋根の下で過ごす夏。

この夏休みは私の人生にたくさんの影響を与えた。

日本語、フランス語、片言英語。

チーズ、チョコレート、ビスケッツ。

遠い外国から来る叔父のスーツケースは

素敵な香りがしていた。

フランス人の叔母は、朝食のトーストにチーズを乗せる仕草さえお洒落でいつも見入ってしまった。

そんな外国の香りがする夏が大好きだった。

 

以前、私が日本へ一時帰国した時に、「まさか自分が夏に帰ってくる家族側になるとは思いもしなかった。」と母に言うと、母はなんとなくこうなる事が分かっていたと笑った。

かつての夏に、私が叔母の仕草に夢中だったその後ろで、母は私の将来を見ていたのだと思う。

 

エリックトースト

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当時小学生だった従兄弟のエリックが、トーストの上にバターを塗り、ナイフで上手に切ったバナナを並べて食べていた。

みんなで真似をして食べるようになった。

美味しくって手軽。

これを我が家では「エリックトースト」と呼んでいた。

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シナモンやシナモンシュガーをかけても美味しい。

 

去年一時帰国した時に、父が朝食にエリックトーストを食べていた。

30年以上愛されるヒット朝食を生み出したエリックは今、ベルギーで音楽をしている。

今度会ったら、エリックトーストの功績を伝えたいと思う。