人と食

人と食のエピソード。笑って泣いてカリフォルニア。

クッキー缶

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このクッキー缶と紅茶クッキーには特別な想い出があります。

高校の時、憧れの先生がいました。

先生はデンマークと日本で活躍されている日本人の女性でした。

その先生が気に入って下さったのが、私の焼く紅茶クッキーでした。

学期末に、先生とクラスの仲間でポットラックパーティーをしました。先生は私の焼いたクッキーを美味しいと褒めてくださいました。当時の私は、図書館で外国のお菓子作りの本を眺め、日本にあるもので作ってみる事を趣味としていました。北欧生活の長い先生にクッキーを褒められた事は、国際的な女性になれたのではないか!と勘違いをする程嬉しいことでした。

それがきっかけとなり、先生がご自宅でお茶会を開く時に、頼まれてこのクッキーを焼きました。

父が、庭のミモザの花を大きく束ねてクッキーに添えてくれました。ミモザはヨーロッパではとても親しまれている花なんだと父が教えてくれたことを覚えています。


紅茶クッキーとミモザは先生に大変喜ばれました。そして、お礼にとデンマークのクリスマスが描かれたクッキー缶を頂きました。

絵本の1ページの様な可愛らしい絵が描かれた缶。中にはクッキーが入っていた様でいい香りがしました。

私がお菓子作りが好きな事を思い、先生が大きな缶を3つもデンマークから持ってきて下さった事に心が温まりました。


昨年の夏、日本へ一時帰国をした時に、実家でその思い出話しを母にすると、戸棚からクッキー缶を出して来てくれました。長く大切に保管されていた缶。開けてみると、少し引っかかる感じも当時のままでした。

そして、その缶を今度は日本からアメリカへ持って来ました。

 

デンマークから日本へ、日本からアメリカへ。二度海を渡ったこの缶に、クリスマス休暇中たくさんのお菓子を詰めて楽しんでいます。

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