人と食

人と食のエピソード。笑って泣いてカリフォルニア。

山盛りの法則

「千年の恋も冷める」

私の松花堂弁当の盛り付けを見て先生が仰った言葉。

学生で若かったから、あはは!と笑い返したけれど、今、文字にすると結構酷いことを言われている。

 

日本料理には向こうを高く、手前を低く、

山から水が流れる様に盛りつける

「山水の法則」というものがある。

器の中で心地よい美を放つ。日本の美。

 

だが、この山水を意識しながら毎日盛り付ける余裕はない。

 

千年の恋を冷めさせた私は考えた、

家庭料理が気軽に美味しそうに見える盛り付けとはどんなだろうかと。

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私の出した答えは「山盛り」

山盛りサラダ

器:KOSTA BODA

 

山盛りには決まった向きがなく、どの角度からも楽しめる。

そして、このYAMAMORIという言葉は聞いているだけで心地よい。

山盛りは山盛りでも美しく、美味しい山を日々研究。

 

課題:サラダ山

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少しずつ色々なお野菜。

一つ一つがパッとしない盛り付けにくいものを選びました。トマトとかあればねー。


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*おまけ*

ドレッシングは、にんにく醤油(3日にんにくを漬け込み取り出したもの。暑くなってきたので使い切れなかったら冷蔵保存)と

油(サラダ油かオリーブオイル)、バルサミコ酢を各大さじ1にお砂糖を小さじ1。

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山の麓は大きめの葉、レタスをちぎって。

この時、ちょこんとドレッシングをつけてから器に盛ることで"上だけしか味がしないサラダ"を回避。

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レタスをベースに他の葉物も山高く盛り付けていくが、途中もう一種類ぐらいちょこんとドレッシングに浸かるものがあった方がよい。

あまりつけすぎるとベチャベチャになるので、

ほんのお風呂の温度を手で確かめる程度で。

 

これで山盛り特有の欠点、上だけしか味がしないをクリア!

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山頂には軽くて華奢な葉物を乗せて、ドレッシングを上からスプーンで回しかける。

平皿は縁ギリギリまでお料理がいかないように

余白を大切に。

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最後にパルメザンチーズを山頂から麓にかけて一振り。(富士山頂で初雪を観測)

 

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  山盛りと草原

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  山盛りと山盛り

 

 

たかが盛り付け、されど盛り付け。

山盛りで君と好きな人が千年続きますように。