コロラド州に歳の80近く離れた友人がいた。
彼女は数学学者で冒険家で教師だった。
船でアフリカへ蝶を探しに行った話は私のお気に入りで、どんな本よりも胸がときめく話だった。
彼女は桃のシーズンになると、桃のシロップ漬けを作る。それを次の年まで大切に食べる。
遊びに行くと「私はお昼にピーチを頂くわ」と言った。「それだけじゃ足りないでしょ?」と聞くと、「あなたがどれだけ若いか忘れていたわ。そうね、若い人はお腹がすくわね。」と笑った。
彼女は、103歳で亡くなるまで大きな病気をしなかった。いつかの夏に健康の秘訣を聞くと、
お昼はこれだけ食べなくちゃいけないとか、そういう決まりはなくて、必要な分を身体に聞くの。いつも自分の体からのメッセージを逃さずに聞くのよ。と教えてくれた。
「自分の身体に耳を傾ける」
簡単な様で、とても難しい健康法だと思う。
桃を切るたびに、彼女とキッチンで並んで一緒に桃を切って、古いディナープレートに桃を並べる光景が思い出される。プレートにも桃の絵が描かれていた。
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桃を使った軽食を一つ。
ももトースト、トマトやきゅうりトースト
器:HEATH ceramics
用意するものはパン、桃、バター、マスカルポーネチーズ、蜂蜜。
パンを軽く焼きバターを塗る。
その上にマスカルポーネチーズを重ねて塗り、
薄くスライスした桃を並べ、仕上げに蜂蜜を垂らす。
簡単なのに美味しい。
他の組み合わせも絵レシピにしておこう。
この日私の身体は、ももトーストだけでは足りないと言っていた。