「早く用意して!」
「もう行っちゃうよ?!」
この朝のやりとりがいつまで続くのか…
アメリカの子育ては、「アッシー」がメイン。
どこへ行くのにも送迎送迎。
今日の朝もひどかった、もう先に行っちゃうんだから!じゃあね!!っ!ガレージの車の窓ににうつる自分の顔にゾッとする。
オニババア。
眉間に寄った皺とツノを隠すために被った帽子が痛々しい。
それでもオニババアは行く!遅刻はいや!
はっ!
エンジンをかけた途端に気がついた。
表示される時計を見て気がついた。
10分早い🤣🤣🤣
そんなとびっきり冴えない朝に、
子どもたちを送り、自分の為にきちんと朝ごはんを作った。
いつもは、子供の食べ残しや、お弁当の余り物を集めて食べるけれど今日は違う。
もう、自分をもてなしてあげなくちゃかわいそうな気にさえなってきたから。
フレンチトースト
子供の頃のフレンチトーストと言えば、卵と牛乳、お砂糖を加えて卵液を作り、食パンを浸してバターで焼き、仕上げにシナモンシュガーをかけたものだった。
デニーズ
お洒落なフレンチトーストといえば、デニーズのフレンチトースト。バターたっぷりのデニッシュパンを卵液に浸して作るデニーズのフレンチトーストは週末の朝を楽しくさせた。
そう、デニーズといえば、葉山のデニーズ。おじいちゃんのお気に入りの場所。海の近くで育ったおじいちゃんは海が見えるとご機嫌だった。その葉山のデニーズが3年前に閉店した事を知りとても残念に思う。
デニーズでおじいちゃんが何かを食べている記憶はあまりなくて、飲み物を飲みながら、家族が食べている姿をつまみにして瓶ビールを飲んだり、コーヒーを飲んでいた気がする。おばあちゃんは決まってジャンバラヤを頼む。フレンチトーストを頼んでいたのは母。いつもは、7人分のご飯を作り、お台所と食卓を行ったり来たりし、ついでのように食事をしていた母がゆっくり食事をしている姿を見ていると、くすぐったいような嬉しさがあった。
フレンチトーストのシナモンの香りを感じるたびに、自分も母になったのだなぁと不思議な気持ちになる。パンケーキやドーナツと比べると、大好物ではないフレンチトーストだけど、焼いていると思い出が香るので、そういう意味で自分をもてなす料理なのかもしれない。