和子20歳学生
サンフランシスコのホストマザーはイタリア系アメリカ人だった。
ラザニアを作るのが得意で、一度教えてもらった事があった。彼女が古いラザニアパン(器)に材料を並べ、このぐらいのトマトにチーズはこのぐらいとラザニアパンをまるで計量カップのように使うものだから、私は思わず、「ちょっと待って!私はこの器を持ってないのにどうやって作ればいいの?」と彼女を止めた。
彼女は白髪の頭に真っ赤なネイルの指を入れ、「困ったわね。私この器がないと作れないの」
と笑った。
私はその日、本物の家庭料理を学んだ。
朗らかな彼女は私のサンフランシスコのマンマになった。
今、私にもそんな器ありきの家庭料理がある。
キャベツの浅漬け
材料は、キャベツ、人参、生姜、
(今回は特別に茗荷も参加)塩昆布。
キュベツはざく切り、人参と生姜は千切りにする。
キャベツの芯の部分も薄切りにして加える。
そう、量はこのぐらい。
この琺瑯容器で山盛りこのぐらい。
ボールに材料を移し、お塩小さじ1を
全体に混ぜ合わせる。
そして、塩昆布大さじ1、きび砂糖大さじ1、
お酢大さじ1を加え再度混ぜ合わせる。
混ぜ合わせながら、大丈夫〜なんくるないさぁ〜ハクナマタタ〜ケンチャナヨ〜ケセラセラ〜と良い加減の言葉をかけるとうまくいく。
容器に戻して、
蓋をぎゅっと閉めれば後は冷蔵庫で休ませるだけ。30分後、2時間、半日、1日、時間と共に変化する味を楽しむ。
急いで作る時は、
この容器を横に高速しゃかしゃかしてすぐに食べる事もある。
お酢の代わりに柑橘系の絞り汁を使ったり、
夏はきゅうりを加えたり、
茗荷、大葉、柚子の皮など季節に合った香りを添えて楽しむマンマの浅漬け。
大らかに朗らかに作る。